富士山のご来光

 ご来光は午前5時。暗い空一杯の星座が次第に薄くなり、稜線に明るさが増してくるのですが、太陽はなかなか現れません。気温ゼロ度。体の芯から震え歯がガタガタしだし風邪をひくかなと。山頂の山小屋は、暖を求め1杯800円のカップラーメンに長蛇の列です。私もこの800円に命を救われました。外国人は多かったのですが、中国や韓国のかたは殆ど出会わず、欧米か東南アジア系が中心でした。旅の目的はお国柄によって異なるようです。太陽が上がると一変し、不思議な世界が一面に広がります。赤く光った最高地点の剣が峰、グロテスクな火口、火口を取り巻く不規則な起伏。前回来たときは小雨で、霧の立ち込めるただ白い世界でした。やっと宿題を果たしました。富士山は運に恵まれないと登頂できない山だなとつくづく思います。山開きの2ケ月のうち富士山の機嫌がいいのはその3分の1。わずかな日を予定しそこに当てるとぐっと確率が下がります。私のこのたびの登頂も、相次ぐ台風で日を順延し、台風が過ぎたわずか数時間後の日程でした。高山病の症状でこめかみを押さえてリタイアする人もいました。しかし、険しい百名山と違って富士山はやはり身近な山です。平原にそびえる日本一高い独立峰。他の山をひきつれず、孤高なたたずまいと美しさに私たちは惹かれ続けます。中高年のかたも多く、山小屋では83才の単独行の男性とお隣りでした。4年前に大きな手術をし、今年で延べ50回目の登頂だそうです。そんな無理してなぜ登るの?男女を問わず単独行も多かったです。このような人はだいたいリピーターです。コースを変え、時間を変え、時に友人と、仲間と、そして一人で。何を考え、何を感じ、そして苦しい思いをしてなぜ何度も登ってるの?私の登ったコースは静岡側からですので、雲の間に、静岡の街や真っ青な遠州灘、東に目を転じれば、山中湖をとりまく美しい緑、御殿場の裾野が広がっています。でも、登っている間は、休憩の時を除いて、つらくてそんな景色を楽しむ余裕のあるかたは少ないはずです。それでも多くの人が富士山を目指します。私も少しだけその気持ちが共有できたような。いつかまた上がるんだろうな。寂しくなった時、むなしさを感じた時、何かに支えて欲しくなった時・・きっと富士山が何かを与えてくれると思って。 


 

代表 岡本

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