夏の日の感傷

 昨年の夏、西から来る台風を背に、小さな船でひたすら帰路をいそいでいた。大気の流れは複雑で、九州あたりにある台風に向かって反時計回りに強い東風が吹いていた。太陽が出ていたので寒くはなかったが、何度となく舳先を乗り越えるスプラッシュに4人はずぶねれな状況だった。リーダーの○○さんの決断で陸地を離れ、家島諸島の真南を一直線に明石海峡へ向かうというものだった。距離は直線だが鳴門海峡から押し寄せる太平洋からのうねりと向き合うためピッチング(縦揺れ)も激しかった。この船はサイズの割に大きなエンジンを積んでいて、ヨットではあるが併用すると足早なはずであったが、景色は一向に変わらず、本当に前に進んでいるのだろうかという不安があった。半日そんな状況が続いてやっと淡路島の西海岸の緑が近づいてきた時、△△さんが後ろを振り向いてつぶやいた。「よう、ここまで来たな」振り返った後ろは、大きな海が広がり、遠くに家島諸島の島々がうっすらと点となって浮かんでいた。その時、その言葉にふと胸が詰まった。航海に不安な要素はまったくなく、安堵したというのではない。なんとなく人生を重ねてしまったのだ。今の自分に焦点をあてて、ただ前を向いて歩く。みんなそんな人生を送ってる。やはり振返っちゃだめだな。でも人生もあとわずか。遠い西の海は、台風が近づいているからか雲が多くうごめいていたが、まだ、明るさが微妙に残っていた。          代表:岡本   ライフプランのご相談はエル・セイフティまで。

| 20:58 | - | - |



CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>
qrcode


New Entries
Archives
Link
Profile